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  • 執筆者の写真文と写真: Shuhei Miyahara

100年先へ。

更新日:2020年2月28日


今回のリノベーションの主な命題は、100年先に田坂家住宅(313)を残すこと。それから、Kitchen 313のお客さまにより豊かな体験を提供すること。私たちにとって大きなチャレンジです。

1. 母屋の屋根瓦を更新し、築100年の古民家をさらに100年残せるようにします。

建築後100年が経過した田坂家住宅(313)の母屋。いちど瓦を下ろして葺きなおした形跡がありましたが、瓦は100年もの。さすがに割れやすくなっており、また土葺きのため長年の間に瓦が屋根全体でズレてきていました。長雨が続くと雨漏りもあったことから、建物本体を守るために葺き替えを決断。今回の葺き替えでは、既存の瓦と同じ、愛媛の「菊間瓦」を選択し、地域に自然となじむ姿を維持します。古瓦の一部は、カッコよくリユースします。

2. 傷んでしまった母屋の鏝絵を、技術が残るいま再生します。

上弓削地区の古民家の多くに施されている鏝絵(こてえ)。この鏝絵と焼杉の壁が、上弓削の町並みをつくってきました。田坂家住宅の母屋にも美しい鏝絵がありますが、長い年月で割れや浮きが大きくなっていました。補修も難しかったことから、コストの面からもこの改修で撤去することも考えましたが、新しく再生することを選択しました。その理由は、鏝絵を手がけられる職人技術がどんどん失われているということ。いまこの鏝絵をなくしてしまうと、将来的に復活させようとしてもできない可能性がある。そこで少なくない費用ですが、この鏝絵がある風景を後世に残そうとしています。

3. 中庭を整備し、Kitchen 313のお客さまに利用していただけるようにします。

中庭はこれまでプライベートでのみ利用していましたが、Kitchen 313のお客さまにも開放できるように整備します。母屋には中庭に面して縁側を回し、そこに腰掛けて島の空気を味わいながら珈琲やベーグルが楽しめます。中庭にある風呂・トイレが入る離れは老朽化のため建て替えし、トイレをお客さまにも使用していただけるようにします。なお、Kitchen 313の工房や店舗は、今回の改修ではあえて大きく手を入れません。

4. 薪ストーブを導入し、弓削の山の燃料資源を活用します。

弓削の山には豊富に燃料資源があります。いま、山に入る人はほとんどいません。石油やガスが簡単に手に入り、山に入る必要がなくなったからです。都会に住んでいるなら難しいかもしれないですが、ここなら少し行けば自分で切れる木、つまり自分で手に入れられる燃料がある。なるべくライフラインに依存せず、再生可能なエネルギーを手に入れるための、小さな、個人的な試みです。いま薪ストーブの見積もり待ち。値段が合いますように。

なんかマニュフェストみたいになってしまいましたが、こんな感じです。

Kitchen 313のお客さまをはじめ、各方面の方々にはご迷惑をおかけいたします。よろしくお願いいたします。

2018-3


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