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  • 執筆者の写真文と写真: Shuhei Miyahara

世界は明日も美しく見えるか

更新日:2020年2月28日



ずっと心配していたことだったのだけれど、このあいだ眼科で「あなたは緑内障ですね」と診断された。視野が欠けていく病気で、いちど欠損した視野は回復しない。僕のようなド近眼の人は特になりやすいらしい。昔から、眼底の形状から君は緑内障になりやすそうだから注意せよ、と言われ続けていたので、おお、やっときたかという感じ。初期のうちに見つけてくれた福山の眼科には感謝しているし、これ以上進行しにくいようにする目薬を1日1回点眼しておけばひとまずOKだそうなので、さほど深刻になってはいない。


思えば僕が写真およびカメラにハマったのは、自分の目ではとうてい見えない鮮明で美しい世界が、レンズを通してカメラに記録されたデータのなかにあるからだった。建築物でも景色でも人物でも、画面に映される写真の非常に豊かな色彩と、圧倒的なディテールにいつも感動する。おそらく、僕が写真を撮る根本的な動機もそこにあるのだろう。


もしかすると、将来的には写真を撮ることができないくらいに病気が進むかもしれない。昔から、いつか失明するかもしれないな、という漠然とした不安感はつきまとっていた。とはいえ、人間いつ死ぬかわからないように、これもいま心配しすぎても仕方のないことなのだ。だから僕は、今のうちにできるだけ美しい世界を見、写真や言葉で記録しておきたいと思う。うまく言えないけれど、それはきっと自分のためだけではなく、なにか、人のためにもなるような気がしている。

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