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  • 文と写真: Shuhei Miyahara

床下をあけてみた

最終更新: 2月28日


大工の隅田さんは、大変だけどけっこう楽しい現場に当たってしまったにちがいない。

「居間にはむかし掘りごたつがあったはず!」という妻の情報を聞いて、ひとまず調査をしてみた。掘りごたつが出てきた場合それを復活させ、掘りごたつを軸にしたコミュニティ・スペースのような空間にしたいという、かなり鼻息の荒い妻。

さて、食事をするテーブルや下の息子のオモチャ箱など、畳の上に載っているものを隣の部屋に追いやり、まず畳の上敷をめくってみる。すると半畳の畳が出てきて、これはと期待が高まる。長年のホコリを掃除機で吸い取りながらその半畳をはいでみると、これも正方形に切られた床下地板が。おお、これはまさに掘りごたつっぽいぞ。しかし、板をめくってみたところ、残念ながらその下は地面なのであった。

おかしいおかしいと連発し、その後やや脱力感に襲われていた妻に、隅田さんは「いやこれはかつて掘りごたつがあったんでしょう」となだめる。床板はたしかに掘りごたつ型に切り取られており、その他いろいろの周辺部材がその痕跡を物語っていた。当初あった掘りごたつは、なんらかの理由で後年取り払われた。その理由をいま知ることはできないが、そこにはおよそ100年、数世代におよぶ、かつてここに暮らした人びとの歴史や、時どきの事情が横たわっていた。

2018-2

#リノベ #母屋

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