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  • 文と写真: Shuhei Miyahara

コロナ雑想 III



恐竜が図体を大きくしていったのは生存の戦略だった。大きな体の方が、捕食者に対する防御効果が大きいからだ。一部の植物食恐竜は実に全長40mになるぐらい大型化した。肉食恐竜もそれに応じて体を大きくしていった。しかし、一説によると、彼らは直径10kmにもなる隕石の衝突でもたらされた極端な寒冷期を生き残ることはできなかった。日光が遮られ気温が大きく下がったことでこれまでのように植物が生育できなくなり、それを食べる植物食恐竜、次いでそれを食べる肉食恐竜が死滅していった。

結局、陸上で生き残ったのは、ネズミのような小さな哺乳類だった。爬虫類も小さなのが残った。小さいから、わずかな食料で生きていくことができた。ボートは荷物をたくさん積めない反面、巨大船舶と違って曲がる・止まるが自由自在であるように、小さな生き物たちはしなやかに過酷な時代を生き抜いていった。いま僕たちが直面している状況も、似たようなのかもしれないなと思う(隕石衝突とは比べ物にならないくらい小さいけど)。

新型コロナウイルスというインパクトは、確実に社会を大きく変えようとしている。このようなとき、大きな恐竜より小回りのきくネズミのほうがうまく生きていけるんじゃないか。リモートワークをしたくても上手くできない大組織を尻目に、自宅で伸び伸びと働いているフリーランスを僕はたくさん知っている。それから、コンパクトな暮らし。借金も、生きていくために必要なお金もなるべく少ない方がいい。巨大恐竜を目指すより、僕は小さなネズミのままでいたいと思っている。

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