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  • 文と写真: Shuhei Miyahara

コロナ雑想 II


初めて食べるチーズの燻製の味に目を丸くする。

愛媛県でもついに小学校が休校になり、うちの息子もずっと家にいることになった。ほっとくとゲームをしてるか僕の仕事の邪魔をしにくるかどちらかなので、こういう時こそ何かできないかなと思って、今日は燻製づくりにチャレンジしてみた。事前に勉強し、近くのホームセンターでサクラチップを買い、ダンボール箱を用意。煙を籠らせられる箱があればなんでもOKだ。

しかし、肝心なところで作業がストップ。ボウルにチップを入れて火をつけてみるものの、上手く火が回らない。試行錯誤するが煙がすぐに止まってしまう。ネットで検索したところ、炭などの熱源でチップを熱さなければならないとのこと。そこでちょうど家にあった備長炭で火を起こし、その上にアルミホイルを皿にしてチップをのせると、すぐに煙が立ち上ってきた。果たして、ものの30分程度でベーコン、ゆで卵、チクワ、ベビーチーズ、ししゃもの燻製が完成。

できたばかりのを青空の下でかじってみると、なんとも言えない香りが口の中に広がった。ビールがほしい味。息子も初めて食べる燻製にはじめは恐る恐るだったが満足な様子だ(彼はこういう酒のツマミみたいな食べ物が好きなのだ)。空を見上げると、トンビがはるか高いところを飛び、時折ピーヒョロと鳴いていた。日差しは柔らかく、雲がゆっくり流れている。この豊かな感じ。生きてるという実感。なんだ、こんなに単純なことで幸せを感じられるじゃないか。

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